ざしきわらしの生活再建サポート

生活保護を申請すると親族に照会(問い合わせ)されますか?

【質問】生活保護を申請すると必ず親族に照会されますか?
【回答】扶養義務の履行が期待できない場合は、照会されません。

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親族への照会(問い合わせ)について

 生活保護を申請すると、親族に対して「生活保護を申請されている方を扶養できませんか?」という問い合わせ(扶養の照会)がなされることがあります。
 この照会を恐れて、生活保護の申請を見合わせるケースが少なくありません。
 しかし、扶養義務者への照会は常に行われるわけではありません。

照会はなぜ行われるの?

 生活保護法は、「民法に定める扶養義務者の扶養…は、この法律による保護に優先して行われる」(第4条第2項)ことを定めています。
 この趣旨は、「扶養義務者による金銭的扶養が行われたときに、これを被保護者の収入として扱う」というものであり、その前提として扶養義務者へ直接の照会(扶養照会)を行います。
 そのため、「扶養義務の履行を期待できない」と判断される扶養義務者には、扶養照会を行わない取り扱いがなされています。

扶養義務の履行を期待できない者

 扶養義務の履行を期待できない者として、以下の3類型が例示されています。

 

履行が困難

@ 当該扶養義務者が被保護者、社会福祉施設入所者、長期入院患者、主たる生計維持者ではない非稼働者(いわゆる専業主婦・主夫等)未成年者、概ね70歳以上の高齢者など

 

著しい関係不良等

A 要保護者の生活歴等から特別な事情があり明らかに扶養ができない(例えば、当該扶養義務者に借金を重ねている、当該扶養義務者と相続をめぐり対立している等の事情がある、縁が切られているなどの著しい関係不良の場合等が想定される。なお、当該扶養義務者と一定期間(例えば10年程度)音信不通であるなど交流が断絶していると判断される場合は、著しい関係不良とみなしてよい。)

 

自立を阻害

B 当該扶養義務者に対し扶養を求めることにより明らかに要保護者の自立を阻害することになると認められる者(夫の暴力から逃れてきた母子、虐待等の経緯がある者等)

 

備考

 なお、上記@〜Bの類型はあくまで例示であり、直接当てはまらない場合であっても、これらと同等のものと判断できる場合に、「扶養義務の履行を期待できない者」に該当するものとして取り扱われることがあります。

関係先調査について

 「扶養義務の履行を期待できない者」と判断されたため扶養照会を行わない場合であっても、扶養義務者が「生活保持義務関係者」(夫婦及び未成熟の子に対する親)である場合には、関係機関等に対する照会(関係先調査)が行われることがあります。

参考資料

扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について(令和3年2月26日付厚生労働省社会・援護局保護課長事務連絡)

 

「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」の一部改正について(通知)(令和3年2月26日付社援保発0226第1号厚生労働省社会・援護局保護課長通知)

 

「生活保護問答集について」の一部改正について(令和3年3月30日付厚生労働省社会・援護局保護課長事務連絡)

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